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post #4 ネットワークってなにするの?〜ハミルトンハイツ(N.Y)からの手紙〜
 coLLaboブログ読者のみなさま、こんばんは 

今日は、No. 2でふれたLGBT従業員の社内ネットワークについて、具体的にどんなことをしているのか、という話などすこし。

従業員の有志によるグループ、Employee Network とかEmployee Resource Groupと呼ばれていますが、もともとは、(白人)男性優位な職場で、人種マイノリティや女性社員たちが部署を超えたつながりをつくってお互いに情報交換をしたり、いろいろ支え合ったりするところから手弁当ではじまり、ある程度の規模になって会社側からも人事から活動予算がでたりいろんなサポートがついたり、と定着していったものらしく、今の勤め先には、女性 (Women)、アフリカ系アメリカ人 (African American)、ラテン系 (Latino)、アジア系(Asian)、アメリカ先住民 (Native American)、障害者 (Disability)、退役軍人(Veterans)にLGBTというくくりのグループがあります。前の勤め先もほぼ同じでしたが、アジア系のグループが二つ、北東アジア(中国、韓国、日本など)+環太平洋のグループ(Asian Pacific Islander)と東南アジア+中東(South Asian and Middle Eastern)の両方がありました。

参加は任意で、いわゆる「当事者」でなくてもウエルカム、という雰囲気が強く、私も前職ではLGBT、Asian Pacific Islanderだけでなく、African AmericanとSouth Asian and Middle Easternのグループにも入っていました。どのネットワークも、メンバー向けの社内交流イベントや、キャリアに役立つ情報交換、研修などの企画が中心ですが、その他にも、たとえば障害者のグループでは健常者向けに手話の講座をしたり、アジア系のグループでは文化紹介のイベントをしたり、全社員に向けた相互理解の為の企画もみられます。

ネットワークをやっていくからには、理想は毎年安定して同じペース、あるいはだんだんとメンバー数も活動内容も増えていくというパターンですが、グループごとにその時々のメンバー数やネットワーク運営に関わるリーダー達のキャパもばらつきがありますし、会社からもらえる予算とのかねあいなどから、現実には、長期的に安定した運営を維持したり、メンバー数や活動の幅をひろげていくのは容易ではありません。

私は前の会社でLGBTネットワークのリーダーをしていた人と同じ部署で仲が良かったので、入社してわりとすぐにネットワーク運営に関わるようになり、ボランティアコーディネーターというそれまでなかったポジションを勝手に(笑)作ってチームに加わりました。イベント当日に雑務を手伝ってくれる人たちを集めて指示をだしたり、社外のLGBT団体でボランティアを必要としている時に情報を流してメンバーの中から参加者を募ったり、というのがコーディネーターの役回りです。


イベントの内容としては、一番多かったのは「ネットワーキング・ソーシャル」という名目の飲み会で、同業他社のネットワークと共同でまわりもちで企画したり、他社のイベントに招かれたり、少ない予算でなるべく幅広い活動ができるよう、いろんな情報交換が活発でした。ほかにもアジア系のネットワークと共同で映画祭のスポンサーをしたり、富裕層向けビジネスのマーケティングに便乗して「LGBTの老後の備え」について顧客向けセミナーを開いたり、ビジネススクールの学生達を対象にした就活イベントに人事の担当者と一緒に参加したり、と硬軟いろいろやりました。

ネットーワークとして人事から相談をうけることも多く、同性パートナーを配偶者と同じように扱う福利厚生の枠組み作りや、トランスジェンダーの社員へのサポート、養子縁組の為の「育休」制度などについて、ネットワークとしての意見や要望を伝えるのも大事な役割でした。それでも発足当時は「レインボーネットワーク」とあえてLGBTを前に出さないネーミングになっていましたし、メンバーリストも公開と非公開が選べるようになっていました。メーリングリストに入って情報はうけとりたいし、社外のイベントには参加するけれど、同僚や上司には知られたくない、という人も多かったので。

いまでは「LGBTプライド」を名称にとりいれているところがほとんどですが、非公開メーリングリストは残念ながらまだまだ必要なのが現実です。私個人としてはレインボーネットワークのお陰で、社内だけでなく社外にも貴重な人脈ができて、ふだんの仕事では接点のない人や、私の肩書きではなかなか話す機会のないエラいひとたちとの交流が増え、表にでることでいろんな役得がありました。


そして2年前、10年近くつとめた会社を辞めて日本にきて、今の勤め先のプライドネットワークの創設者だった当時の東京のローカルリーダーにはすぐに連絡をとりました。メンバーは基本非公開で交流会などは会社から離れた場所がほとんど、リスト非公開でも参加したくないという人の方が多い、といったことや、つながりは主にリーダー個人の社内の知り合いが限度といった様子をきき、前の会社でのNYのネットワークの10年前と似たような状況というか、LGBT社員の存在が「見える」ことに関して、微妙なバランスを保つために腐心している、という印象をうけました。ちなみにレズビアンのメンバーは私が初めてだったそうで。

東京で働きはじめて一年目は、本業の方があまりにも忙しくて参加はしたもののほとんどネットワークの活動はできず、二年目に入ろうかというあたりでリーダーが異動するので後を引き継いでくれないかといわれるまでは「リストにのっているだけ」状態。年間予算がいくらなのか、映画祭のスポンサーの他に企画はあるのか、何も知らないまま引き受けることになりました。さいわい、人事の担当者が予算や年間活動予定の企画書などはまとめてくれたので、私の役割は、インターバンク*との連絡とイベント告知が中心で、春・秋のピクニック、夏のパレード、そして映画祭をこなせばよい、と。

年初の時点では社内にむけて、外部から講師をよんで、全社むけにLGBT社員をとりまく環境について理解を深めるような企画案もあったし、その後、私が個人的にインターナショナルスクールに招かれて高校生を相手にトークをした縁で、次は学生たちを会社に招いて「社会科見学」の場を設けたい、と思ったりもしたのですが、本業をこなしつつ、ひとりで企画立案実行すべて、というのはあきらかにムリ。会社にはいって1年やそこらではろくな人脈も持ってはいないので(短期の赴任なので、そのあたりさぼっていたせいもありますが)サポートしてくれる人を探すというのも現実的ではないので、独自の企画は残念ながら実現しませんでした。

ハミルトンNo4_1
Save the Pride
インターバンクのブースからの眺め

ハミルトンNo4_2
タクシーもレインボー

そんなわけで、2012年のプライドネットワークの活動は、ほぼすべてインターバンクの企画に便乗する形で、8月のSave the Pride(スポンサー+パレード)、東京国際G&L映画祭のスポンサー、代々木公園でのピクニックなどに参加。人事の許可を得て、すべてのイベントに関して全社員にメールで告知を流したのですが、社内からの参加は残念ながらごく少数にとどまりました。認知度はあがっていると思うのですが、メンバー数をのばすことができなかったのも、心残りなことのひとつ。

こちらに戻ってくるにあたって、後継者がみつからなかったので、いまのところは、東京のプライドネットワークの社内サイトに、「代表/連絡先」として私の名前はまだ残してある状態なのです。

長くなってしまったので、今回はこのへんで。
プライドネットワークについては次回に続きます。

ではまた


*インターバンク(インターバンクフォーラム)とは
日本にベースがある外資系銀行・証券会社のLGBTネットワーク同士をつなぐグループ。2011年から初の日系企業、野村証券も参加。各企業でのLGBT従業員をめぐる環境整備のための情報交換や、共同でのイベント企画、スポンサーなどを行っている。

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